100年に一度の不況と言われ、知財業界でも厳しい話ばかり聞きますが、不況下での知財管理の注意点を確認してみたいと思います。
1)出願の厳選 予算が少なくなれば、出願時、外国出願時、審査請求時、審判時などに案件の厳選が行なわれるのが通常です。 このときに、どの案件を選ぶか、管理部門の能力が問われます。 全ての案件が重要であるということは通常ないので、判断さえ間違わなければ問題ないのですが、重要案件の権利化を落としてしまうと問題が大きいです。 出来るだけ多くの情報を集めて判断すべきですし、判断材料は後々問題となったときに確認できるように記録しファイルしておくべきです。
また、出願しなかった案件については、公表技報(発明協会では公開技報)で最低限の公知化をしておくべきでしょう。 最低限というのは、あまり多くを公知化すると、その後の出願内容に影響が出る場合があるからです。
2)権利侵害 本業で利益が出ないと、なりふり構わず特許で儲けようという会社が出てきます。 ミノルタが米国ハネウェルにやられた時も、ハネウェルは本業での利益が出てなかったようです。 問題となったときに被害の大きい主力製品については、再度のチェックが必要かもしれません。
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