弁理士選定

 知り合いからの紹介が多いのではないでしょうか?
 業者や商品を選ぶように、企業が自由に特許事務所を選択できる環境にはありません。
 依頼件数が多い大手企業では、特定の分野を集中的に依頼し、特定分野のエキスパートとして特許事務所を育てる方法もあるようです。

 年間50件以上依頼できれば、企業側の希望もいろいろ聞いてくれるでしょうが、中小企業では、特許出願が年間10件以下の場合が多いでしょう。特に、年間1件では,特許事務所は企業の思うようにはなかなか動いてくれないのが現状です。

 特許事務所・弁理士の探しかた

  1)業界関係者などに紹介してもらう
     知り合いの弁理士は紹介してくれるでしょうが、その弁理士の専門分野まで考慮して
    紹介してくれるような業界関係者は少ないと思います。

   2)電話帳の”弁理士”の欄でさがす
     特に、地方に密着した弁理士を探すのに適しているでしょう。
     弁理士会のホームページには県別の弁理士リストがあります。

  3)”求む 特許事務所” に登録する
    多くの弁理士さんに応募していただいています。

 大きい事務所か、小さい事務所か?

 大規模事務所は,各専門分野ごとに担当がおり,どのような分野の出願も扱ってくれるでしょう。
 但し,こういう事務所のお得意様は年間数千件クラスの大企業ですから,中小企業向きではないかもしれません。
 弁理士さんにいろいろ聞きながら、進めたい場合などは向かないと思います。
 (大規模事務所は発明協会の雑誌”発明”に広告が載っています。)

 一方,小規模事務所(弁理士がひとりの個人事務所など)では,中小企業に親身なってくれるところも あると思います。 しかし,唯一ひとりしかいない弁理士さんが出願する技術分野に詳しくなければ, それは不幸なことです。 弁理士の得意分野が客観的に判断できない場合があり,選定がさらに難しくなります。

    都市部の事務所か、地域密着型の事務所か?

 企業の所在地が地方の場合,弁理士さんと頻繁に顔をつき合わせて打ち合わせをしたければ, 地域密着型の事務所を選択するしかありません。 但し,多くの特許事務所は都市部に集中して いますので,選択の幅が狭くなります。

    特許事務所、弁理士の選定・評価方法

 一般的には特許事務所・弁理士を紹介してもらったり,問い合わせをすると経歴書を送ってくれます。 事務所の所員の構成,弁理士の出身大学,主に扱った技術分野などが記載されています。
 事務所の所員構成は参考になりますが,出身大学や取り扱い技術分野はあまりあてになりません。

 出身大学は優秀な大学を出た方が多いですが,弁理士になる試験は超難関であるため,頭の悪い方はいません。 また、出身学科も電気,化学と参考にはなりますが,卒業後も同じ分野で仕事しているとは限りません。
 主に扱った分野については,自己申告であるため,1件のみの出願代理でも注目されている分野ならば記載されている可能性があります。

  客観的な評価方法として,公報テキスト検索などで弁理士の出願代理した出願を検索する方法があります。
 出願代理した案件は,出願後1年半で公開されますから,過去数年分の公開公報を検索すれば,どの分野を何件ぐらい出願代理したか判ります。 このデータから,どの分野が得意かが判ります。
 但し,弁理士の得意分野でも,その分野の顧客企業と巡り会わなければ,出願代理はできませんから,あくまでも顧客企業あっての話です。

 また、どの企業の出願代理をしているかも,チェックできます。 いくら,自社の出願分野と一致していても,競合企業の出願代理をしている弁理士は使えません。

 できれば,出願代理している公報を何件か読んでみましょう。
 公報全体を通して,読みにくく,難解な用語を多く使用している弁理士は避けるべきです。
 特許管理者,発明者,特許庁審査官,第三者などすべての人が内容を理解するのに時間がかかり,みなさんの時間の無駄です。

  ご意見,ご質問はメールで→
info2@pat-man.com (迷惑メール対策のため、時々メールアドレスを変更しています。) 
【メインページ】へ