米国出願について
 外国出願を検討する場合、1カ国のみ出願するとすれば、ほとんどの分野で米国を選択するでしょう。米国は市場が大きく、特許で問題が発生すると多額の費用がかかるためであると思います。

 2カ国目以降になると分野により欧州であったり、アジアであったりします。また、米国出願は世界中の国々から注目されており、優秀な特許が集まって来ているとも考えられます。(競合メーカーが日本企業のみである場合には、製品を輸出していても外国出願がほとんどない場合もあります)

 米国に発明品を輸出する可能性がある場合は、できるだけ、米国出願すべきです。

 米国で特許権を取得すれば、米国内で独占的に実施できます。

 これ以外の利点もあります。例えば、ミノルタ・ハネウエル事件の後、米国弁護士が囃し立てたのでしょうか、中小企業である私のいた会社にも数件の米国特許侵害の警告が来ました。

 言いがかり的なものが多く、きちんと説明すれば理解してもらえる場合もありますが、相手が強行姿勢であると、裁判に持ち込まれる場合もあります。
 このような段階になると、社内工数も多くとられ、「言いがかりだ」ですまされない事態になります。費用も出願費用をはるかに上回る費用が必要となります。

 もし、輸出品に関して米国特許権を得ていれば、「当社の製品は米国特許XXXXXXXX号を取得済みである。」との返事をすれば、すんでしまう可能性もあります。

 外国では、問題が起これば費用も多額となりますので、保険料(出願しておくこと)も高くなってしまうのも仕方のないことです。

 中小企業の場合、裁判に持ち込まれない対策が必要です。特に米国では裁判に持ち込まれた時点で負けです。多額の裁判費用が必要なためです。

 将来的にも、米国に発明品を輸出する可能性がない場合であっても、関連分野の米国特許の公報は目を通しておくべきです。
 日本出願よりさらに詳しく発明について記載された公報もあり、技術資料として参考になります。
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